介護給付費 過去最高の10.8兆円 これから起こることと自分を守るためにできること
厚生労働省の発表によると、介護保険サービスの2023年度の介護給付費(介護保険サービスにかかる費用のうち、利用者の自己負担分を除いた公的な支払い分のこと)は、前年度比3.0%増の10兆8263億円となり、過去最高を更新しました。
介護給付費10兆8千億円 23年度、過去最高を更新(共同通信) – Yahoo!ニュース
これは何も驚くことではなく、日本の高齢化率の上昇を考えると当然のことと言えるでしょう。
そして、今後も介護給付費は過去最高を更新し続けることが見込まれます。
「自分が介護を受ける時にどうなるのか」と不安な方に向けて、この報道の意味と個人でできる対策をご紹介します。
ニュース解説
介護給付費の増加
2023年度の介護給付費が過去最高の10兆8263億円に達したことが発表されました。この数字は、前年度より3.0%増加しており、介護保険制度が始まった2000年度の約3倍にも上ります。
これだけの増加がなぜ起こったのか。現在、介護や支援が必要と認定を受けた高齢者は、2023年度末時点で708万人に達し、前年よりも2.0%増加しています。つまり、介護が必要な高齢者がどんどん増えているという現状です。
このニュースの重要性
日本ではこれからも高齢化が進み、介護を必要とする人が増え続けることが予測されています。これにより、介護にかかる費用が一層増加し、将来の社会全体での負担が重くなることが考えられます。特に現役世代の負担はすでに限界なのではないかという議論が高まっています。
そういったことから、今後は介護保険サービスを利用する人の負担が増えていく可能性があります。
不満は言いつつも自助努力を
政治や制度に対して「なんでこうなるの?」「もっと何とかしてよ」と言いたくなる気持ち、よくわかります。言いたくなるのは当然ですし、言うこと自体は大事。
でも、それだけでは老後の不安は減りませんし、社会の変化を待っていたら老後が先に来てしまいます。
社会への不満は言いつつも、自分の身は自分で守る準備をしましょう。
「どうせ何とかしてくれるでしょ」と他人任せにせず、「じゃあ自分にできることは?」とちょっとだけ前向きに自助努力を考えてみましょう。
個人でできる対策
1.悩みながらも行動する
「友人もきょうだいも年を取って自分のことで精一杯。とてもじゃないけど何かあった時に助けてもらえる存在ではありません」
先日ご相談に来られた80代の方がぽつり。
年を取ると、関わる人が減り、気がつけば一人ぼっちということは少なくありません。
しかし、それをずっと悩み続けていてもその悩みは解消しません。
誰かに相談してみる、本を読んでみる、同じような境遇の人はどうしているのか聞いてみる…できることから動いてみましょう。
多くの高齢者を見てきて思うのは、自分の悩みを解消するために積極的に行動する人ほど、人との良い縁をたぐり寄せていて、結果悩みを解消できているなということ。
悩みつつも行動するすることを考えてみましょう。
立ち止まっている間にも時間は流れていきますよ。

2.介護費用は余裕を持って算段する
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)」によると、介護にかかる費用は以下の通りです。
・毎月の介護費用の平均:7万8,000円
・介護の平均期間:54.5か月(約4年半)
・一時的にかかる費用(住宅リフォームや介護用品など):69万円
1人当たりの介護費用を計算すると…
(7万8,000円×54.5カ月)+69万円=494万1,000円
1人あたりの介護費用総額の平均は、約500万円ということになります。
しかし、これは多くの人が介護保険サービスの自己負担割合が1割である場合の平均です。
上記のニュースにあるように、介護給付費が増加している中で、近い将来自己負担割合が上がる可能性があります。
今は1割負担の人でも、将来は2割・3割負担となるかもしれません。
また、老人ホームにかかる費用はすでに値上がり傾向にあります。
介護にかかる費用は、多めに考えておく必要があるでしょう。
3.情報のアップデートを怠らない
高齢者をとりまく社会や制度は、どんどん変わっています。年金や医療、介護のしくみも、時代に合わせて変化します。
だからこそ新しい情報を知っておくことがとても重要です。
これは難しいことではなく、関心をもって周りを見渡してみてください。
テレビや新聞だけでなく、お住まいの自治体の広報紙や、信頼できる専門家の話も参考にして、いろいろな情報を見比べてみましょう。中には必要以上に不安をあおるような話もあるので(特にネットの口コミや動画サイトは要注意)、ひとつの情報だけを信じるのではなく、複数の情報を見て判断することをおすすめします。

まとめ
これからは、介護費用や制度の変化に目を向け、「自分は関係ない」と思わずに、一人ひとりが備えていく姿勢が求められます。
残念ながら高齢化の流れは止められませんが、個人でできる準備や工夫はたくさんあります。
まずは行動です。正しい情報を得て、周囲とのつながりを大切にしながら、心とお金の準備を進めていきましょう。
「自分の老後は自分が決める」
自分の人生の舵は自分で取っていくことが何より大切です。