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おせっかいゼロ シニアディスコ~地域福祉ってこうあるべきへの違和感~

「地域住民同士が、継続的に仲良くなることが大事」
「おせっかいが、地域を支える」
そう信じて疑わない人が、地域福祉や地域活動の現場には多くいます。
実際、彼らの存在が地域を支えていることは事実です。そのおせっかいが、誰かの生活を支えたり、時には命を守ることもあります。
けれど同時に、その“前提”に違和感を抱く人にとっては、とても居づらい場にもなっているのです。

違和感を抱く人が、そっと離れていく

私が社会福祉協議会の職員として地域活動に関わっていた頃、健康体操や茶話会、サロン活動など、どの現場にもある種の空気が流れていました。
「仲良くなること」が“良し”とされる空気。
「顔が見える関係になって、声をかけ合うこと」が前提の世界。

そこには、無言のルールがありました。

でも、そのルールにフィットしない人は、そっとその場を離れていきます。
何も言わず、二度と戻ってこない。
私が話を聞いた70代の女性は、こう言いました。
「こういう活動を率先してやってくださっている方には感謝してます。でも、濃いお付き合いは、私には合わないわ」

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違和感のある人はそっと離れていく

地域福祉の「正しさ」に違和感を抱いた私には、シニアディスコが必要だった

地域活動の主催者が「継続的な関係性」「おせっかいは美徳」と信じていると、それに疑問を持つ人は行きづらくなります。
「おせっかいは皆無。その瞬間だけ集って楽しむことを目的とした場を求めている人は多いのかも」
シニアディスコは、そんな発想から生まれました。

ある団塊世代の女性の「カッコよく踊りたい」というひと言がきっかけでした。
「健康ダンスサークルには馴染めなかった。みんなで同じ動きをするダンスは自分には合っていないと感じたし、おしゃべりもしんどいと感じた」そんな人のための場があってもいい。
そう考えて、「しゃべらなくていい。踊ろう」をコンセプトに、懐かしのディスコミュージックを流すイベントを始めたのです。

おせっかいゼロ。だから、リピーターに。

そんなことをきっかけに始まったシニアディスコには、常連さんがたくさんいます。
けれど主催者である私たちは、彼らがどこに住んでいて、何を思って参加しているのか、実はほとんど知りません。

先日、ある新聞社から「シニアディスコ参加者にインタビューをしたい。できればおひとり暮らしの方がどんな気持ちで参加されているのかを聞きたい」と依頼がありました。
そのとき私は、はっとしました。
「はて…誰がひとり暮らしなのか、知らないな」
「そもそも、みんながどんな思いでここに来ているのか、知らない」
シニアディスコらしさである
“知ろうとしすぎない”
“踏み込まない”
それが、常連さん達の「また行きたい」につながっているのです。

知りすぎない関係が、居心地がいいのです。
シニアディスコでは、参加者同士が積極的、継続的に交流をする場面はほとんど見られません。
名前も知らない、年齢もわからない、会話すらしていないのに、同じ音楽に体を揺らし、終わったあとに拍手を送り合う。
そして「またここで会いましょう」と声をかけ合い、連絡先の交換もせずに、何事もなかったかのように三々五々帰っていきます。

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2025.6.22シニアディスコ

地域福祉のあり方も、変化の時

私は、地域のつながり方にもっと選択肢があってもいいと感じています。
濃いつながりも大事。
でも、それだけでは苦しくなる人がいるのも事実。
だからこそ、もっと軽やかに、もっと自由な「地域との関わり方」が増えればいいなと。

“おせっかいゼロ”でも十分楽しい。
“知らない者同士”でも心は共鳴できる。

地域福祉のあり方そのものが、いま、変化の時を迎えているのだと思います。

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