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ハンサムウーマンの決断~終の住処でどう生きるのか~

「佐々木さん!美津子です。無事に引っ越しが済みました。本当にお世話になりました」
電話の向こうから聞こえてきたのは、弾むような明るい声でした。
声の主は、昨年私が老人ホーム選びをサポートさせていただいた美津子さん(仮名)。
小柄でかわいらしく、実年齢よりもずっと若々しいのですが、その内側には凛とした芯の強さを秘めている方です。

言葉にはなっていない望み

美津子さんが私の個別相談に来られたのは、約一年半前のこと。
70代後半、健康に不安はないけれど、頼れる身内がいないことから、先々のことを考えて今のうちに老人ホームへ住み替えたい。
そんな思いで、2年もの月日をかけて、お一人でいくつもの老人ホームを見学されていました。
けれど、どこへ行っても何かが違う。
そんな中、私の「かしこい老人ホームの選び方」講座を受講され、個別面談を申し込んでくださいました。

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講座 かしこい老人ホームの選び方

大阪・奈良・四日市の総合カルチャーセンター 近鉄文化サロン【見学ツアー付き】かしこい老人ホームの選び方~中・高価格帯老人ホーム選び~全4回(座学3回+現地1回)【現地日程②5/27(水)13:00~14:30】(001): 阿倍野サロン大阪・奈良・四日市の総合カルチャーセンター 近鉄文化サロン

私はまず、彼女の人生観や優先順位をじっくりと紐解いていきました。
そして、私の頭の中にあるデータベースと、彼女の願いを照らし合わせます。
インターネットの条件検索では出てこない、対面でお話を聞いてからたどり着く答えがあります。
美津子さんが気にされている「介護スタッフの質」「経営理念」「そしておひとりさまが安心して100歳まで暮らせる仕組みと料金」。
そうした「見えにくい質」を、美津子さんの条件と価値観のフィルターにかけながら絞り込んでいく作業です。

条件を超えた「納得」

美津子さんの出した条件を書き出しながら、私の頭にある老人ホームが浮かびました。
しかしそこは、彼女の希望エリアからは大きく外れていて、しかもこれまでに一度も縁のなかったであろう場所。
「ご希望のエリアからは外れますが、ここなら見学に行く価値は十分にあると思います。どうしてもご希望のエリア内でとおっしゃるのであれば、残念ですがご紹介できるところはありません」
私の提案に、美津子さんは少し驚かれましたが、「佐々木さんのおすすめなら、一度見てみようかしら。ものは試しよね」と、フットワーク良く即決されました。

一緒に訪れたその老人ホームで、担当者から説明を聞き、館内見学をした後、昼食の試食中に、彼女は私の目をしっかりと見てこうおっしゃいました。
「私ね、ここがいいと思うの。なぜ佐々木さんが私をここに連れてきてくれたのか、本当によくわかります。これまで見てきた所とは、全く違うから」
勘の鋭い彼女は、多くの説明をせずとも、私が選んだ意図を汲み取っていました。

彼女が気に入ったのは、そこで流れる「空気」でした。
入居者とスタッフが交わす穏やかな言葉、暮らしそのものを支えようとする細やかな配慮。
そして何より、おひとりさまにとって心強い、通院や入院時のサポートが整っていること。(入居後も通院や入院時のサポートは家族や身元保証人の役割としている、もしくは追加料金を設定している老人ホームは多い)
当初のエリアへの条件は、「安心」を前に、すっと消えていったようでした。

ハンサムウーマンの覚悟

そして、先日、美津子さんの新しいお部屋にお邪魔してきました。
すっきりと整えられたお部屋は、ご自宅から持ってきた大切なものだけが並んでいました。
彼女はにっこりと笑いながらこう話してくれました。
「一軒家からの引っ越しだったから、そりゃあたくさんの物を処分してさみしいわよ。でもね、今こうして無事に移り住んで思うのは、『あぁ、これが数年後ならできなかったかな』ということ」
年齢には勝てない。
お元気な美津子さんでも、今だから手続きも引っ越しも、自分一人でできたと感じたそうです。

そう語る彼女の言葉には、自分の限界を見極める聡明さが見えました。
「誰かに引っ越しや老人ホームの手続きを頼るのは、私にとっては避けたいことだったの。だから自分でできる内にやりたいと思ってたわ」と言う美津子さん。
誰かを頼らざるを得なくなる前に、いつどうなっても気兼ねなく頼れる環境を見つけて、そこに移っておきたかったのだと思います。

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何を大切に生きるのかは、十人十色

そして、こう付け加えられました。
「佐々木さん、最後はね、結局“自分”なのよ。自分がどうしたいのかを考えるの。そうしたら何をすればいいのかが見えるから」
フェミニンでかわいらしい外見の奥にある、ハンサムな一面が垣間見えました。
本当のところ、彼女のお話をまだ100%理解しきれない私ですが、まっすぐ前を見る姿勢にほれぼれしました。

自分の人生をどう生きるのか。
それは住まいを移した後も続くのだと感じました。

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